「リハビリテーションのための」シリーズ まとめ

 

※過去に投稿した内容を一つにまとめたものです。

  以前の記事を削除し、少し内容を追加しております。

 

リハビリテーションのための脳・神経科学入門 森岡周/協同医書出版社

リハビリテーションのための脳・神経科学入門

 

※私が所有しているのは第1版です。

 第2版は内容が変わっているみたいですが未読です。

 

リハビリテーションにとって有益な情報がたくさん盛り込まれております。

認知神経リハビリテーションを学ぶ以前に読んだ際、さっぱり分かりませんでした。

 

 

・脳の可塑性

・運動学習(特に小脳)

・身体図式(身体イメージ)

 

など学校のカリキュラムで学んだことはごく一部だということを実感する一冊です。

 

 

 

✓ 深部感覚や触覚などの感覚情報は頭頂葉のどこに入るのか?

✓ どのように再現されているのか?

✓ どのような感覚入力から始めるか?

 

 

 私的にとてもおススメなのは

「小脳」についてのトピックです。

 

 

教科書や学校では

「小脳はバランスや協調性を担う脳部位」という紹介をされてきました。

 

ですが、様々な研究によって他の働きをしていることが紹介されています。

 

 

このような研究はリハビリテーションセラピストが

 

◇リハビリテーションを行うに当たって、運動療法やモビライゼーションだけで良いのだろうか?

◇他のモダリティへの働きかけはないだろうか?

 

ということを考える良いきっかけになると思います。

 

 

また

小脳でどのように誤差修正が行われているのか?

というのはとても分かりやすいです。

 

 

ですが初学者の方々にとっては難しいです。

入門、と言うには非常に内容が濃いです。

 

 

認知神経リハビリテーションだけでなく臨床家にとって知っておいた方が良い情報がたくさん載っています。

 

リハビリテーションのための認知神経科学入門 森岡周/協同医書出版社

 

森岡周先生が書かれたシリーズの第2部です。

 

前作同様に言葉自体が非常に難しく、読み込むのにとても時間がかかります。

ですが情報はとても豊富。

 

主に高次脳機能について述べられています。

 

・頭頂葉には視覚-体性感覚、体性感覚-体性感覚など異種感覚統合(クロスモダルトランスファー)が行われている

・相手の意図が分かるのはどのようなシステムなのか

 

 

個人的に本著の中で覚えているのは

 

ルリアが書かれた「偉大な記憶力の物語」の話がありました。

 

内容はうろ覚えですが、確か

 

新聞記者のシェラシェフスキーがメモを取らなくても、全てを記憶しているのは何故か?

という導入でした。

 

とても面白くて引き込まれる内容でした。

 

 

 

随分と脱線してしまいました。

他にはミラーニューロンの話が興味深い。

ミラーニューロンはブローカ野にも存在している、というのはなるほどと感じる。

 

 

ミラーニューロン

自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞である。他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように”鏡”のような反応をすることから名付けられた

Wikipediaより

 

人が意図のある動作を行うのを見ていても、自分が同じ意図を持った動作を行うときに同じニューロンが働きます。

 

 

ミラーニューロンの発見はジャコモ・リゾラッティ氏がサルを使った実験中に偶然発見したものです。

 

研究者がアイスクリームを食べている所をサルが見ていて、その時に活動電位が出現した。

 

サルの脳の中では

 

研究者がアイスを食べている=自分がアイスを食べることを鏡写しにした

結果、ミラーニューロンが発火した

 

ということだと思います。

 

これが相手の意図を理解するシステムです。

 

リハビリテーションのための神経生物学入門 森岡周/協同医書出版社

 

森岡周先生が書かれたシリーズの第3部です。

 

こちらの本は、第2部・第3部の内容も加えてありますが、

「如何にして人間らしさが保たれているのか?」

ということを感じる一冊です。

 

 

臨床へ落とし込むには相当な努力が必要です。

ですが、リハビリテーション(特に脳卒中)領域では非常に多くの文献から引用され、実践でも生かせる内容が載っているハズです。

 

ゆっくりとかみ砕いて頭でイメージしながら読むのをお勧めします。

 

 

特に印象的だった文章を紹介して終わりにします。

 

子供の時に比べて環境の変化に富まない老年期においては、大脳皮質の機能の衰えは否めない。

 

その一方、認知症で記憶力が衰え、誰の顔かを思い出せなくても、顔の表情から喜怒哀楽などの感情を読み取る力はあまり低下しない。

 

この事実は、医療介護者の非言語的コミュニケーション対応に最善の注意を図るべきであることを教えてくれる。

 

 

理学療法士の整体院 PHYSICAL CARE ROOM T 院長 田邉謙

千歳烏山駅から徒歩5分

TEL:03-6311-1140

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